ねりあめのブログ

ねりあめがアイマスに関することや、その他色々なことを考えるだけのブログです。SSも書くかもわかりません。

Trust meのコミュ5の話。

皆さんこんにちは。 皆さんはもうTrust meのコミュ5話をご覧になったでしょうか?
見たという方もそうでない方も是非ともこのブログを読んで更に佐久間まゆ、喜多日菜子についての理解を深めて欲しいと思います。
※ネタバレ注意



「日菜子の抱いた疑問」



コミュの序盤、まゆと日菜子はライブ前に関わらずプロデューサーとクリスマスの約束をし、浮かれ気分になってしまいます。そこをプロデューサーに「今は来てくれた人のことだけを考えて」と窘められます。
改めて反省するまゆと日菜子。それから日菜子は、プロデューサーの発言を受けてある疑問が浮かびます。
『日菜子は王子様に見つけてもらうためにアイドルになったけど、見つけてもらったあとはどうすればいいのだろう』と。
アイドルになったのはあくまでその手段で、本当の目的は王子様に見つけてもらうことにある。本当の目的の達成は、手段としてあるべき姿と矛盾を孕みます。
じつは同じコンテクストでまゆを語ることもできます。これは後にお話致します。




「まゆさん、運命の人と、アイドルであること…どちらかを選ばなくちゃならなくなったら…どうしますか〜?」



副題は作中での日菜子のセリフです。思い浮かんだ疑問を踏まえ、まゆP、そしてまゆ以外のPも感じていたこの疑問を日菜子は単刀直入に投げかけます。アイドルとは基本的に恋愛禁止が常套。二者択一が常に迫られるまゆが一体どのような選択をするのか、甚だ疑問であった人も多かったと思います。そんな中まゆは作中、こんな答えを出します。

『……ごめんね、日菜子ちゃん。まゆは……その問いかけに答えることは出来ないの。もう、決めてしまっているから……』
『……日菜子ちゃんが、王子様に見つけてもらいたくてアイドルになったみたいに。……まゆは、まゆの運命の人と、一緒に居られると思ったから、アイドルになったの。』

『あの人はファンの皆が喜んでくれると、喜んでくれる。そして……あの人の喜びは、まゆの喜びのすべてだから……』

まゆはとうとう、そのアイドル活動の意味でさえ、運命の人と共にあるという落とし所を見つけてしまったのです。問いかけに答えることは出来ない、というのは、二者択一なんかじゃない、二つとも掴んでこそのアイドルであるという意味。佐久間まゆの強さの現れなのです。
先程保留にした話と繋がるのですが、まゆは元は一目惚れした人間がアイドルのプロデューサーだったため、一緒に居たいからアイドルになった、言わばまゆもアイドル活動は手段のひとつに過ぎませんでした。
ですがその手段を取る事に伴いある悲しい事実も着いてくることにまゆは気付きます。それはアイドルは決してある特定の人物と結ばれてはならないということ。
アイドルは誰しもに夢を見させる偶像であるべきであって、ある1人だけの夢であってはなりません。
ですが、その事実に気づいてからのまゆはもっと強かなのでした。

『こうしてアイドルを続けている限り、まゆと運命の人が、本当の意味で一緒になれるときは……来ないかもしれない。』
『でも……今はそれで構わないの。まゆがアイドルでいる限り……あの人のそばに居ることは出来るから……。』

結ばれなくても構わない。今は偶像としてファンの喜びと運命の人の喜びを傍で頬を緩ませながら見守っていたい。そのためにアイドルをしているのだ、と、手段すらを目的に変えてしまったのです。自らの禁断の愛をアイドル活動に昇華させる強かさは、16歳の少女にはきっと難しいことであったでしょう。ですがまゆはそれでも成し遂げるのです。なぜならファンが、プロデューサーが大好きだから。



「アイドルを好きでいること」



それから鷹富士茄子に呼ばれたまゆは日菜子にこのセリフを残して日菜子を後にします。

『日菜子ちゃん。アイドル、好きですか?』

こう問われ日菜子は答えます。

『えっ?そんなの……当たり前じゃないですか〜……。』

アイドル活動を嫌いなアイドルはアイドルマスターには居ません。それは日菜子だって同様です。アイドル活動を手段に選んでいるから二の次にしていいだなんて日菜子は考えていません。改めてその事実に日菜子は気付くのです。

『……良かった♪今日のステージも、頑張りましょうね。』

と、まゆは返します。1度手段としてアイドル活動をしていたまゆは日菜子の気持ちが痛いほど分かるのです。禁断の愛。アイドル活動に必ず伴ってくる宿命を一心に背負う辛さをわかっている故に、日菜子がアイドル活動を好きでいることにまゆは安堵をおぼえるのです。
それからプロデューサーに対峙した日菜子は、改めて自分がアイドル活動を好きでいる理由を語り始めます。

『今の日菜子は、アイドルするの、大好きになっちゃいました♪お嬢様みたいなドレスを着たり、かわいい歌を歌ったり、みなさんと、楽しい妄想を分かち合うのも〜。』



『だから……もし夢が叶って、本当に王子様が迎えに来てくれたら。日菜子、最初に、こうお願いしようと思います〜。「これからも、アイドルを続けさせてください」って♪』



……泣けませんかこのセリフ。王子様を見つける手段だったアイドル活動が、とうとう日菜子自身を楽しませる目的となった、歴史的な瞬間です。プロデューサーの本懐と言ってもいいでしょう。日菜子Pはとうとう日菜子にこう言わしめるプロデュースが出来たということですから。

『だって…アイドルとしてキラキラしてる日菜子を見せてあげることが……王子様にとって、幸せなこと……そう、信じてますから♪むふふ〜♪』

王子様を幸せにするために手段から目的へと変貌した喜多日菜子。
運命の人を喜ばせるために手段から目的へと変貌した佐久間まゆ
2人は目的のためならどこまでも走ってゆける子達です。
そんな2人によるドリームアウェイ、是非ともご贔屓にお願いします。